日本の伝統にふれよう! 古典芸能「狂言」絵本

日本の伝統にふれよう! 古典芸能「狂言」絵本
「狂言えほん ぶす」
もとしたいづみ/文 ささめやゆき/絵 講談社


狂言は古典的な喜劇で、大きな特徴は「笑い」です。
庶民の日常などを題材に、人間の習性や本質を
大らかな「笑い」や「おかしみ」にして表現しています。
おもしろおかしいストーリーと、台詞や場面の繰り返しが
絵本として読んでおもしろい内容になっています。

本作は、狂言「附子」をもとにしたおはなしです。
主人から毒がはいっているつぼで、吹く風にあたっただけで
死んでしまうので、けっして近づかないようにと聞かされた
けらいのたろうとじろう。
留守番の最中、つぼが気になってしかたありません。
ふたりはこわごわつぼに近づき、中をのぞくと・・・

つぼに近づく際の、「あおげあおげ」「あおぐぞあおぐぞ」という
リズミカルな繰り返しの場面や
頓智をきかして主人をギャフンといわせる場面が見どころです。

絵は「日本絵本賞」「赤い鳥さし絵賞」などの賞を受賞している
ささめやゆきさん。
のびやかな動きのある絵がたのしいです。