ムーミン谷のクリスマス 洋書絵本

ムーミン谷のクリスマス 洋書絵本
「Christmas comes to Moominvalley」
(Adapted from the Tove Jansson classic) Alex Haridi(アレックス・ハリディ)and Cecilia Davidsson(セシリア・ダヴィッドソン)/文 Filippa Widlund(フィリッパ・ヴィードルンド)/絵 A.A.Prime/翻訳 Macmilan Children's Books


トーベ・ヤンソンのクラシック・ストーリー「The Fir Tree」(もみの木)をもとに
絶妙なイラストと新たな語りで制作された絵本です。

徳間書店より日本語版も出版されていて
本のタイトルは、「ムーミン谷のクリスマス (クラシック・ムーミン絵本)」です。

ムーミン一家は、今夜クリスマスさんという
こわいものがくるので、みんなは迎える準備をしていると勘違いします。
ムーミン一家も暗くなる前に急いで準備をしなくてはなりません。
もみの木を運んでいる友だちを見て、もみの木を用意することを知り
小さな生き物クニットとクリュープがきれいなものを飾ることを
教えてくれました。
ヘムレンさんからは、ごちそうを用意すること
フィリフヨンカさんからはプレゼントを用意することを教わります。
そうして家の外の雪の上にもみの木を飾り
ごちそうやプレゼントを並べ、ろうそくをともして待っていましたが
何もやってきません。
かわりに、小さな生き物クニットとクリュープたちが大勢やってきて
ムーミンパパに「ハッピークリスマス」とささやきます。
「ハッピーだって!なにかおこるかもしれないのに」とパパが言うと
「もうおこっています!すてきなもみの木!おいしそうなごちそう!
本物のプレゼント!」
クリスマスを一度もお祝いしたことのなかったクニットとクリュープたちは
その場にじっと座って、それらをみつめつづけています。
ムーミン一家はクニットとクリュープたちの憧れがどんどん強くなっていく のを感じました。
すると、ムーミンパパは「ご自由にどうぞ!すべてきみたちにあげよう!」
と意を決して言ったのです。
けれど、クリスマスさんに怒られると心配になったムーミン一家は家に入り
テーブルの下にかくれて待っていました。
ところが何時間たってもいっこうに何もおこりません。
窓の外をのぞくと、まっくらな夜空に星が輝き、大きな星がもみの木の上に
かかりました。
クニットとクリュープたちが満面の笑顔をうかべ、たのしそうに
もみの木で遊んだり、ごちそうを囲んだりしているのが見えました。
ムーミントロールは自分たちが勘違いしているとはまったく気づかず
「ヘムレンさんたちみんなは勘違いしていたんだ」と言って
ベッドに入りました。
ムーミンパパもママもスノークおじょうさんもみんなベッドに入り
そして春まで眠りました。
知らず知らずのうちに、幸せという贈り物を見返りを求めず贈ることになった
ムーミン一家のちょったおかしくて、とても心あたたまるクリスマスストーリーです。

みどころは、ムーミンママが作るムーミン一家の大好物のごちそうや
プレゼントにみんなが何を入れたか、ムーミントロールだけは秘密なので
何を入れたのかが気になります。
一番のみどころは、原題にもなっている「もみの木」です。
てっぺんには、ムーミンパパがママに贈った赤いシルクのバラ
貝殻やビーズやクリスタルなどが飾られた一風変わったツリーです。
柔らかな色彩で描かれたツリーはとてもきれい!
いろいろな飾り物をみつけるのもたのしいです。