メアリー・ハウイットの詩をもとに、トニー・ディテルリッジのホラーファンタジー

メアリー・ハウイットの詩をもとに、トニー・ディテルリッジのホラーファンタジー
スパイダー屋敷の晩餐会
メアリー・ハウイット/原詩 トニー・ディテルリッジ/作 別所哲也/訳 文溪堂 【絶版】


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イギリスで長く読み継がれている「The Spider and the Fly」は
1829年にメアリー・ハウイットによって書かれた寓詩です。

イギリスの童謡マザーグースとしても有名で世代を超えて
愛されつづけています。

マザーグースは風刺やユーモア、ナンセンスだけでなく
怖い話、残酷な内容も多いですよね。

本作も、「クモとハエ」ですから、おのずと結末はぞっとします。

メアリー・ハウイットの原詩をもとに、トニー・ディテルリッジが描いた寓話です。
ディテルリッジは、子どもたちに向けて、より教訓的な物語としてとらえています。

スパイダーは、言葉巧みにフライおじょうさんを自分の屋敷に誘います。
スパイダーとフライのバトルが繰り返され、とうとうその罠にはまってしまうお話です。
話の最後にスパイダーより読者の子どもたちへメッセージが書かれています。
その教訓的内容は奥深くて、メアリー・ハウイットの詩が凄みをましてきます。

トニー・ディテルリッジは「スパイダーウィッグ家の謎」(ホリー・ブラック/作 文溪堂)
のイラストを手がけ、世界各国で人気となっています。
また、カードロールプレイングゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」や
「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」のイラストレーターとしても有名です。

ディテルリッジのホラー的でありながらコミカルな絵は、独自の巧みな技法で
描かれていて、銀と黒のダブルトーンで印刷されているそうです。

小さなスパイダーとフライが、まるで映画のように、スポットライトをあびて
登場します。黒と銀の演出が闇の世界を思わせます。
大変見ごたえのある作品です。