【人気絵本】ジョン・バーニンガム「旅するベッド」

【人気絵本】ジョン・バーニンガム「旅するベッド」
旅するベッド
ジョン・バーニンガム/作 長田弘/訳 ほるぷ出版


「アブラカダブラ」の魔法の呪文を唱えると絨毯は宙に浮き
空飛ぶ魔法の絨毯に!
魔法の絨毯に乗って世界中を駆け巡るなんて夢のようなおはなしは
古今東西、子どもたちが心おどるテーマのひとつですね。

本作は、魔法の絨毯ならぬ魔法のベッドのおはなしです。
そう、ジョージ―だけがみつけた魔法の呪文を唱えると
ベッドに寝ながら、空を飛んで、どこへでも行けるんです!

ジョージ―のベッドは小さくなって、新しいベッドを買うことになりました。
パパとショッピング・センターへ行く途中、古物屋さんに立ち寄ったふたり。
ベッドを探していると、店の店主がちょうどいいベッドがある
と言います。
なんでもこのベッドは不思議なベッドで、どこへでも自由に旅ができると
ベッドを持って来た人が言っていたそうなんです。

家に帰って、きれいに洗っていると、何かが書いてあります。
どうやら「MからはじまってYでおわることば」が魔法のことばらしいのです。

ジョージ―はそれから、あれこれ魔法のことばをためしてみます。
すると、ある晩のこと・・・
ジョージ―は、魔法のことばを言い当てたにちがいありません!
気が付くと、ふわり町のうえ!
その夜からジョージ―の冒険はつづきます。

夏休みになり、海へでかけた一家。
夏休みが終わり、帰ってみると、留守番をしていたおばあちゃんが
ジョージ―にサプライズなプレゼントを。
それは、新しいベッドでした。
魔法のベッドは粗大ごみへ・・・冒険は終わってしまうのでしょうか。

魔法のことばが何だったかは、最後まであかされません。
「自分だけの魔法のことばをみつけて」と文章はくくられています。

子どもは、いつだって自分だけの魔法のことばを唱えて、夢の世界を
旅しているのかもしれませんね。
大人になったら、魔法のことばも、冒険もすっかり忘れてしまっているのかも。