【絶版絵本】「あふりかのたいこ」こどものとも傑作集 瀬田貞二/寺島龍一

【絶版絵本】「あふりかのたいこ」こどものとも傑作集 瀬田貞二/寺島龍一
「あふりかのたいこ」こどものとも傑作集
瀬田貞二/作 寺島龍一/絵 福音館書店

    
初出は、1962年こどものとも8月号で
本書は1975年こどものとも傑作集、ハードカバー版です。

「アフリカを舞台にした自然への畏敬と命の尊さを描いた絵本。」
(出版社サイトより抜粋)

サンケイ児童出版文化賞大賞受賞作品
全国学校図書協議会選定「必読図書」(表紙にメダルシール)

タンボ少年は、たいこの名人トンガじいさんにたいこを教えられました。
上手になり、たいこの音で遠くの村人とはなしができるまでになりました。

ある時、ボンボン隊長がフランスから旅行にやってきて
タンボを道案内に雇いました。
ボンボンは、次から次へとけものを追いかけます。
はじめは、その腕に関心していたタンボですが
やがて、射撃の腕を自慢したいだけという利己主義な
ボンボンがいやになり、たいこのことばを打ちました。
「けものをどこかへ逃がしてくれ。ぼんごぼんご」

あくる日、けものは、一頭もいなくなっていました。
けものを探すタンボとボンボンの前に、一頭のインパラが現れました。
インパラを追いかけ、たどり着いた先にあったのは
動物たちの命をはぐくむ水辺でした。

そこには、たくさんの動物たちがいて
今まで聞いたこともない美しいたいこの音が聞こえてきました。

ダンボの口からたいこのことばがながれでます。
「銃をてばなせ けものにまじれ 命の水をのんで 命にめをさませ」

その美しい光景に心をうごかされたボンボンは銃をすて
けものたちの仲間にはいりました。

やがて、森からトンガじいさんがたいこをならしながらあらわれました。

クライマックスの水辺に集ういきいきとした動物たち
自然と命の賛歌に心うたれます。