【洋書絵本】エドワード・ゴーリー絵「Ssm and Emma」1971年初版本

【洋書絵本】エドワード・ゴーリー絵「Ssm and Emma」1971年初版本
Sam and Emma
Donald Nelsen(ドナルド・ネルセン)/作
Edward Gorey(エドワード・ゴーリー)/絵
Parents' Magazine Press.


「ギャシュリークラムのちびっ子たち」「うろんな客」
「不幸な子供」(河出書房新社)など
不条理な、カルト的な作風で
世界中の熱心なファンを持ち
芸術性が称賛されつづけているエドワード・ゴーリー

読者に媚びるこもない淡々と描かれた線画は
異彩をはなっています。

本作はそんなゴーリー作品とはちょっと違っています。

1971年制作の絵本で初版本です。
ゴーリーは絵のみを制作しています。

主人公の犬のサムと猫のエマと
散歩の途中ふたりが出会う、ビーバー、ヤマアザラシ
アライグマ、ポッサムの動物たちが描かれています。

それぞれのキャラクターの個性も感じられ
キュートでコミカルな感じに描かれている
めずらしい作品です。

犬のサムは親切でやさしいジェントルマン
猫のエマは無邪気な性格でちょっと自分よがり
他の動物たちのことを自分の価値観で見て批判的
仲良くしようとはしません。

みんなそれぞれの違いを理解し認め合うことを
サムに教えられます。
でも、無邪気なエマはわかっているのかどうか
「これから努力するわ」と笑っています。
「それは正しい答えだね」とサムはエマの気持ちを
尊重して、ふたりは仲良く晩ごはんに急ぎます。

最後はピンクや黄色の花も描かれて
サムとエマが仲良く手をとり向かい合って終わる
ほのぼのとしたシーンです。

ゴーリーの他作品とのギャップや
ユーモラスな中に潜んでいるゴーリー独特の不気味さを
みつけてみる・・なんていう他の楽しみ方もできる作品かと
思います。