思い出の夏…太田大八「だいちゃんとうみ」

思い出の夏…太田大八「だいちゃんとうみ」
「だいちゃんとうみ」(こどものとも傑作集))
太田大八/作・絵 福音館書店


太田大八さんは長崎県大村で生まれ幼少期を過ごしたそうで
ご自身の体験をもとに夏の海辺の生活がいきいきと描かれています。
夏休みだいちゃんが海の近くで暮らすいとこのこうちゃんの家に行くという おはなしです。

朝早く船着き場に行き、うたせぶねの漁師のおじさんに家からもってきた漬物と
交換で、エビやタイなどをたくさんもらいます。
そのあと、小川でカワエビをすくい、それを餌にして魚釣りです。
お昼には浜辺で「みな」という貝をとって、「みなめし」を炊き、みんなで海の
ごちそうを食べます。
夕暮れまで海で遊び、帰り道ではこうちゃんが「すぎでっぼう」を作ってくれました。
家に帰っても暗くなるまでうすれていく海の光をみながら遊びがつづきます。

長崎弁の会話、きらきら光る海とのどか半島の村の風景、みんなで囲む楽しい夕餉。
なつかしくやさしい昭和の夏の一日。思い出がいっぱいです。